2つのNISAとiDeCo使い分け術
将来への準備として資産形成に取り組もうとする方は着々と増えていると思います。
そこで初めて投資をするという方は多いと思いますが、資産形成をする際に活用しやすい制度としてNISAやiDeCoという制度があります。
どちらも国が用意している税制優遇の制度なので、上手に活用することができればかなりお得に資産形成に取り組めることになります。
ではそれぞれどのように活用するのが良いのでしょうか。
本日はこの2つの制度の特徴と活用の仕方についてご紹介します。
■NISAとつみたてNISA
NISAとは少額投資非課税制度のことで、証券会社や銀行でこの制度が適用された口座を開くことができます。
1人につき、どこかの金融機関で1口座だけ開くことができ、年間に定められた上限金額までの投資であれば、その投資で得られた利益が非課税になります。
2018年から始まった制度で、つみたてNISAというものがあります。
こちらは非課税で運用できる期間が延びたかわりに年間に投資できる上限金額が少なくなっています。
また、つみたてNISA口座で購入できる商品は金融庁が資産形成に適していると認めた投資信託しか買えない仕組みとなっています。
金融庁が厳選した投資信託で、毎月の収入からコツコツと資産形成に取り組みたいという人に向いている制度と言えますね。
NISAが年間の上限金額が120万円までで5年間非課税、つみたてNISAが年間の上限金額が40万円までで20年間非課税になります。
NISAは対象商品も広く株式や海外ETF等も選択できるため、今手元にあるまとまったお金を運用したかったり自分で幅広く商品を選びたいという方に向いている制度です。
■iDeCoの活用
対して、iDeCoは個人型確定拠出年金のことで、こちらも証券会社や銀行などで口座を作ることができます。
NISAやつみたてNISAと異なる大きな特徴としては、拠出したお金が全額所得控除できるという点です。つまり、資産形成に取り組みながら税金も安くできるということですね。
私たちが普段支払っている健康保険料や年金保険料等の社会保険料は全額所得控除され課税の対象から除かれますが、確定拠出年金に拠出するお金も同じように扱われます。
iDeCoで選択できる商品は口座を開いた会社によっても異なりますが、預金・保険・投資信託などです。
そして、NISAと同様にiDeCo内で得た投資商品の売却益に関しては課税がされないようになっています。
iDeCoでは税金がかかるのは最後に貰うときだけです。ただし、貰うときにも一時金であれば退職所得控除、年金として受け取る場合でも公的年金等控除が使えるため、税制的にはかなり優遇された制度になっています。
ただ、iDeCoはあくまでも年金制度の1つであるため、大きなデメリットとして拠出して貯まっているお金が60歳までは取り出せないということがあります。
特に若い方は結婚、出産、子育て、家の購入、自己投資など様々なことにお金を使うことになると思いますが、そういったものには一切お金を使えなくなってしまうために機会損失に繋がる恐れがあるということはご認識いただいた方が良いと思います。
■2つの制度の活用
まず最初は60歳までお金の取り出しができないiDeCoよりも、NISAなどで投資になれていくことをお勧めします。
ある程度自分の人生設計ができた後に、計画的にiDeCoを利用した方が良いかと思います。
目先の節税効果に目を奪われてしまい、お金の身動きを取れなくしてしまうことは、ひいては自分の人生の選択肢を狭めてしまうことにもなりかねません。
NISAとiDeCo。
どちらも一長一短の制度ですが、それぞれを上手に使いこなすことができればお得な制度であることに間違いはありません。
ぜひお金について学んでこれらの制度を活用してみてください。