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個人年金保険のデメリット

将来の生活費を賄うためには年金だけでは足りないと思っている方は多いかと思います。

実際、今現在でも年金だけでの生活では平均して毎月54,000円程度生活費に不足が出るというデータがあります。

また、今の年金制度では、今後年金の支給開始年齢はどんどん高くなるうえに支給額は減っていくことが予想されています。

 

そんな老後の資金に不安がある方に人気の商品のひとつに、個人年金保険があります。よく保険屋さんが「万が一の備えもできて、老後のためにお金も貯めることができる。銀行預金より金利もいいのでお得ですよ」と言うやつですね。

 

しかし、将来の資金を作る上で本当に個人年金保険はふさわしい商品なのでしょうか。多くの方が入っているからと言って、必ずしもそれが良い選択肢とは限りません。

本日は、日本人にとても人気のある個人年金保険について考えてみたいと思います。

 

■対策に個人年金保険は?

 

 

老後不安が蔓延する昨今、個人年金保険で老後資金の対策をしようとする方が増えています。

個人年金保険の加入率は22%程度と言われており、日本人の4~5人に一人は加入しているということになります。

 

「年金」という名前がついている安心感もあり他の保険とセットで加入しているケースなどを良く見かけます。

たしかに、元本保証で銀行預金よりもお得。万が一の備えをしつつ老後の蓄えもできると言われると日本人は安心して加入するかもしれません。

しかし、個人年金保険は本当に老後の対策としてふさわしいものなのでしょうか。

 

例えば、某保険会社のシミュレーションを使って下記の条件で試算してみました。

 

契約年齢:30歳
性別:男性
支払期間:30年
月払保険料:2万円

 

 

この条件で見てみると、払込保険料の累計は720万円、60歳時点から10年間毎年約75万円がもらえることになりました。つまり30年間と年金を貰う10年間を合わせた40年間をかけて、720万円が約757万円になった、ということになります。

40年で37万円殖えていますが、皆さんはこの結果をどう思うでしょうか?

 

■インフレに確実に負ける

 

ちなみに上記の例の受取率は105.14%でした。年利にすると0.25%です。

銀行預金や個人向け国債よりは高い利回りです。

 

ここで考えたいのが日本のインフレ率。実は直近5年間で日本の物価は年平均で1%程度上昇しています。

これはつまり、手元にあるお金の価値が年に1%ずつ減少しているということにもなるのです。
そして、今後の日本でも年1%程度はインフレが続いていくという予想がIMF(国際通貨基金)より出ていることも考えると、今後も緩やかな物価上昇は進んでいくと見込んでおくことが妥当でしょう。

 

仮に1%のインフレ率のまま上記の年金保険を受け取り切るまでの40年間が経つと仮定すると、その頃のお金の価値は30%以上減っている計算になります。

このような環境で40年間かけて105.14%額面が殖える商品に加入することに意味があるのでしょうか?
少なくとも私はまったく意味を感じません。
こうした商品は、デフレの時には良いのですがインフレの時にはメリットがなくなってしまいます。つまり、物価上昇率(今の日本で言うと、年1%)以上の利回りが望めないものにお金をかけることはデメリットしかないのです。

自分の貴重な時間とお金を無駄にすることになります。

 

しかし、やはりお金が貯まる保険ということでそういった危険性をわからないまま契約している方が多いことが事実です。

もし自分の入っている年金保険は価値があるのだろうか?といった疑問をお持ちになった方はお気軽にご相談ください。

 

 

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