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『教育が高くつくというなら、無知はもっと高くつく』
〜 ベンジャミン・フランクリン 〜

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年金運用黒字10兆円規模に

私たちが毎月支払っている年金。

私たちが払った年金保険料は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)という機関が債券や株で運用し、年金支払の原資としています。

そのGPIFの運用益が2017年度は10兆円規模の黒字となったようです。

本日はGPIFの現状とそこから見えてくる問題点にせまっていきます。

◼2017年度は株高の恩恵を受け大幅黒字に

2017年度は、年明けからは株価は低迷したものの全体的に見ると世界的な株高となった1年でした。

その恩恵を受け、私たちの年金を運用しているGPIFの運用益も約10兆円の黒字となり、2年連続でプラス運用を維持しています。

運用資産別の収益は

・国内株:5兆5千億円

・外国株:3兆4千億円

・国内債券:4千億円

・外国債券:7千億円

となり、すべての運用資産でプラスを確保しています。

中でも日本株の収益が最も高く、国内株と外国株の収益だけで収益全体の9割を稼いでいます。

◼時代に合わせて変わるポートフォリオ

ポートフォリオとは、資産配分という意味です。

つまり、どの資産(株や債券など)にどれくらいの割合を投資するのかという意味です。

GPIFの昨年12月末の資産割合は国内債券が27.67%と過去最低を更新した一方で、国内株は26.05%、外国株は25.08%と過去最高となりました。

平成26年9月までは国内債券が60%を占めており守りの投資の側面が強かったGPIFですが、平成26年10月以降は目標利回り1.7%を確保するため、株への投資比率がそれまでの2倍以上になりました。

◼攻めなければ現状を維持できない現実

株式への投資割合が増えたことで価格変動リスクが高くなります。つまり、良くも悪くも投資の値動き(損益)が大きくなるということです。

GPIFは私たち国民の大事なお金を運用し、それを原資に高齢者に年金を給付するという重要な機関であるため、積極的に運用することは本来好ましいものではありません。

しかし、債券を中心とした保守的な運用をしていては収益が上がらず、人口減少と少子高齢化が進む日本においては年金制度が維持できなくなる危険性があります。

「攻めることこそ最大の守り」といえば聞こえは良いですが、積極的にリスクを取って収益を上げていかないと年金が維持できないという国の実態を認識しておくことが大切です。

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