
みんな迎える老後、その時お金は残ってる?
「人生100年時代」という言葉を頻繁に耳にするようになってきました。
平均寿命は年々延び続け、私たちが老後を迎える頃には平均寿命が100歳になるとも言われています。
ただ、長生きすればするほど負担が増すのが老後のお金。
本日は、私たちが老後を迎える頃のお金の見通しと、それを知ったうえでどうしたら良いかを考えてみます。
◼️高齢者の半分の世帯が金融資産0に
三菱UFJリサーチ&コンサルティングが公的年金の給付水準の低下による高齢世帯への影響をまとめた結果で衝撃な予想がされました。
それは、2050年、85歳の世帯の48.8%で金融資産が枯渇する、というもの。
これは、今の年金制度は少子高齢化の影響により、制度を維持するために支給水準の低下が避けられない状態のため、国の年金だけを頼りに生活しようとすると半分の世帯が老後生活ができなくなるということを意味しています。
対策のひとつに資産形成があります。仮に、30歳から年間所得の1割を毎年資産形成にあてることで、金融資産が枯渇する世帯は31.9%まで減るとされています。
◼️働き方も見直しへ
上記の資産形成に加え、さらに65~74歳までの10年間で年100万円の就労所得があると金融資産が枯渇する世帯は14.8%まで減るといわれています。
こういった傾向にあることから国も対策を考えており、政府は2月に閣議決定した「高齢社会対策大綱」で、現在60~70歳で選べる公的年金の受給開始年齢を70歳超も選択できるようにする方針を盛り込んでいます。
公的年金は受給開始年齢を遅くすれば年金の受給額を増やすことができます。
65歳を基準として、受給開始年齢を1年遅くすれば8.4%受給額を増やすことができます。
もしこれを75歳まで遅らせた場合は84%も受給額が増える計算になります。
つまり、「年金を受け取る時期を先送りしてくれたらそのお礼に年金額を増やしてあげる」というやり方で、健康で元気に働ける高齢者は年金を受け取らずに働くことで収入を得てほしいというのが国の本音です。
◼️今から何をしていくか
これからの時代は、公的年金の支給は減る一方で健康寿命は延び、元気に働ける高齢者は増えていきます。
そうした「人生100年時代」を迎えるにあたって改めて資産形成や働き方を考えることが必要です。
今から将来に向けてコツコツと資産形成に取り組むことは最低限として、そのなかで自分のスキルや経験を磨きながら、やりがいをもって長く働くことのできる仕事を見つけていくことが大切です。