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低コスト投資信託活用術①

今年始まったつみたてNISA等を契機に、信託報酬という保有コストが極めて低いインデックス型の投資信託が増えてきました。

今回は、2日間にわたり信託報酬の差が運用成績に及ぼす効果や低コスト投資信託を活用するポイントを見ていきます。

◼投資信託の手数料

そもそも、投資信託には主に3つの手数料があります。

・販売手数料

投資信託を買う時に支払う手数料のことです。手数料率は購入価格の0~3%で、購入する金融機関によって異なります。ネット証券は比較的購入時手数料が低く、手数料が無料の投資信託は「ノーロード投資信託」とよばれます。

・信託報酬

信託報酬とは、投資信託を持っている間、毎日差し引かれるコストのことで運用期間が長くなればなるほど運用成績に影響を及ぼします。

これはファンドによって差があり、保有しているファンドに対して年率約0.05~3%かかります。

投資信託の中でも「日経平均株価」などの株価指数と連動するように作られたインデックスファンドは、運用管理費用が低い傾向があります。積極的に利益を追求するアクティブファンドは、投資信託を構成する銘柄のリサーチ・組み換えなどにコストがかかり、運用管理費用が高くなる傾向があります。

・信託財産留保額

投資信託を換金するときにかかる費用のこと。投資信託は様々な「株」や「債券」をまとめて運用しており、これらの資産を換金するためには費用がかかります。この費用を投資信託を解約する人に負担してもらうという、いわば解約手数料のようなものです。これもファンドによって異なりますが、だいたい0~0.5%かかります。

◼低コスト投資信託が広がる背景

運用各社はコストを重視する若年層を取り込もうと2015年頃から相次ぎ信託報酬を引き下げ、その動きはつみたてNISA開始を機にさらに激化しました。

例えば、先進国株式で運用するインデックス投資信託の場合、信託報酬は15年初めに年0.4~0.5%が下限でしたが、直近では0.1~0.2%の商品も増えています。

◼運用成績に及ぼす影響の差

仮に1990年に100万円を先進国株式に投資した場合を例に見てみます。

信託報酬0.2%の投資信託では、信託報酬1%の投資信託と比較すると手元に残るお金は170万円も多くなります。

アクティブファンドの信託報酬の平均である1.7%と比較した場合では290万円も差が生まれることになります。

一見すると小さく見える投資信託の手数料ですが、長期で見ると大きな差が生まれることを意識することが大切です。

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