
借金して自己投資は良いもの?
「借金は悪いもの」と考えている方は多いかもしれません。
たしかに、借金という字からもわかる通り、そのお金は誰かから借りたお金であり、自分のお金ではありません。
つまり、いつかは必ず返さなければならないお金ということです。
多くの方は借金をするタイミングは、大学進学時や車、家の購入時に奨学金やローンという名目で借金をすることが多いでしょう。
しかし、最近では自己投資のために借金をする方が増えているようです。自分の能力を高めたり、将来のための投資をするための借金は、良い借金と言えるのでしょうか。
本日は、良い借金と悪い借金について考えてみます。
■良い借金、悪い借金
良い借金と悪い借金の基準を一言でまとめると、その借金をすることで、借入コスト(支払い金利)よりも高い価値を生み出す借金が良い借金、借入コストよりも高い価値を生み出せなかったり浪費のための借金は悪い借金ということができます。
例えば奨学金を借りることによって大学に行くことができ、生涯年収が数千万円上がるというのは良い借金だと判断できます。
一方で借りたお金をパチンコや競馬で散財してしまったとしたら、それは悪い借金だと言えますね。
価値を生み出すという意味では、事業をやるときに借りるお金も良い借金にあたります。
借入によって新たな設備投資や事業の拡大のためにお金を使うことができ、結果として借入コストよりも高い売上や利益が確保できれば借金を有効に使うことができたと言えます。
しかし、将来に渡って業績が回復する見込みがない中で、ただやみくもに赤字を補填するためだけの理由で借金をすることは悪い借金である場合が多いです。
■自己投資の場合の借金はどうか
最近では銀行でもAIを使って個人の信用をスコア化し、それに合わせてお金を貸し出すサービスなどを行っています。
こういった技術の発展により、スマホ1つで少額の借入がより手軽に行えるようになってきています。
実際に銀行のカードローンやフリーローンなどはここ数年、融資金額が右肩上がりに増えてきています。こうした少額のローンの使い道として、多くの事例で自己投資が挙げられるようです。
例えば、英会話を始めとする習い事の費用や歯科治療の費用などでもローンを利用する方は多いです。
これらは良い借金なのか、悪い借金なのかというのは、本人の努力次第になってきます。
英語のスキルを身に付けることで生涯年収が増えたり職場で出世したりということであれば借りたお金はすぐ返せるかもしれません。また良い歯科治療を借入をしてでも受けておくことで、将来の歯科治療にかかる金額を大きく減らすことができるのかもしれません。そうであれば、上記のようなことで借り入れたお金は良い借金と判断することもできます。
■借入は常に費用対効果で考えると
良い借金、悪い借金とは、常に費用対効果で考える必要があります。
この借入コストに見合うリターン(結果)が得られるか、ということがポイントです。
借入コストとは、具体的には金利の支払いのことを言います。
仮に年利5%でお金を借りたのであれば、その5%を上回る価値を生み出さなければ費用が効果を上回ってしまうことになるので、それは悪い借金であったという判断になってしまいます。
自己投資の場合は、特に自分の努力次第で良い借金にも悪い借金にもなり得るということになります。
大きな買い物をするときは、意外と冷静な判断よりもノリや勢いが上回ってしまいがちです。
自己投資という言葉は聞こえが良いですが、大きな決断をする前は一歩立ち止まって借入を起こしてまでお金を使うべき場面なのかどうかを冷静に考える癖をつけると良いですね。
借入が容易にできる世の中だからこそ、色々な場面で借り入れを起こしてでもお金を使うことを推奨する声が聞こえてくるはずです。日頃から冷静な判断ができるように、お金に対する感覚を磨いておく必要があります。