定年消滅時代に必要な働き方とは
日本の定年制度はいずれなくなるといわれています。
その理由は、平均寿命が延びる一方で年金の支給額は減っていき、年金だけでは生活できない現実があるからです。
人生100年時代に必要な働き方とはなにか、本日はそんな日本の課題にせまっていきます。
◼受給を遅らせることで増える年金
政府・与党は現在、60~70歳の公的年金の需給開始年齢を75歳まで延ばすことを検討しています。
日本の公的年金は、60歳までの繰り上げ受給と70歳までの繰り下げ受給を選ぶことが可能で、これを75歳まで繰り下げることを選択できるようにするというものです。
年金額は繰り上げ、繰り下げをすることで変動します。
繰り下げでは受給を1年遅らせるごとに年金額が8.4%ずつ増え、70歳で受給を開始すると、65歳で年金を受け取るよりも1.4倍の年金を受け取ることができます。
政府・与党の議論のように75歳受給開始にすると、年金額は1.8倍にまで増える計算になります。
◼現在の年金水準を維持するには
公的年金は少子化の影響で、2040年代には給付水準(所得代替率)が2割程度減る見通しです。
しかし、60代後半まで働くことができれば現在の高齢者と同等の年金額を受給することができます。
さらに70~75歳まで働けば、受給できる金額をさらに増やすことができます。
このように、今後は引退をできる限り遅らせて豊かな老後を目指す生き方が主流になっていきます。
◼人生100年時代を生きるのに必要な視点
今後は日本型雇用慣行の見直しも進みそうで、定年後の再雇用時の待遇改善などが議論されています。
このように年金受給や雇用慣行の改革、平均寿命の長寿化を考えると、年齢で一律に退社させる定年は時代に合わなくなってきています。
老後のための資産形成に取り組むことは大前提として、それと同等以上に重要となるのが老後に向けて自身のスキルや能力の向上に励むことです。
「楽しく、やりがいのある仕事をいかに長く続けるか」
このことがこれからの時代を生きる私たちが物心共に豊かになれるかどうかの大きなポイントになりそうです。