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年金作りは投資信託がスタンダードになる

今話題のiDeCoをはじめとする確定拠出年金。

確定拠出年金とは、老後の資産を作るために、長期での投資を促すための税優遇制度です。

確定拠出年金は本来、リスクを取ってこそ価値のあるものですが、今の日本では元本確保型で運用されている割合が65%にも上ります。
しかし、このような現状が今月に施行される改正確定拠出年金法で変化していきそうです。

本日は、確定拠出年金の現状と、今後どのように変わっていくのか、そのうえでどのようにしたら良いのかを考えてみます。

◼元本確保型への偏り

確定拠出年金では毎月の掛け金の預け先を「預金」「保険」「投資信託」のなかから選ぶことができます。
確定拠出年金は、その仕組み上、リスクをとってこそ大きな効果が発揮されます。
しかし、現在は個人型の確定拠出年金(iDeCo)では、約65%が預貯金・保険といった元本確保型商品で運用されています。

確定拠出年金は、一度口座を開設すると、その口座の維持自体に手数料がかかります。いくら様々な税優遇があるとはいえ、今のようなマイナス金利時代にほとんどお金が増えない元本確保型の商品ばかりを選択していては、手数料によって投資元金が減ってしまうことも考えられます。

しかし、日本では投資教育がほとんどされていないため、リスクが取れるとされる若い世代の方でも元本確保型の商品を当たり前のように選択していることが多いのが現状です。これでは確定拠出年金の制度を最大限生かすことができず、結果的に損をしてしまいます。

◼初期設定で自動的に投資信託購入

こんな現状に対して、今月に改正確定拠出年金法が施行されることになります。
これは、iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入者が3ヶ月以上運用先を選ばない場合、自動的に投資信託で運用されるというものです。

この法に対応するため、りそなグループ、野村證券等は初期設定の時点で元本確保型の商品ではなく投資信託が選択されるように変更することが検討されています。ネット証券でも楽天証券が夏ごろに、マネックス証券も秋ごろには対応する予定です。

◼米国の例から考える確定拠出年金の活用法

米国の確定拠出年金の規模は日本をはるかに上回るものになっていますが、米国ではこうした変更を促し、確定拠出年金の約7割が投資信託等のリスク性資産での運用になっています。

また、資産規模はここ10年間で8割近く増えており、身近なものとして多くの方が利用しているほか、リスク性資産の値上がり益の恩恵を受けていることがわかります。

確定拠出年金のメリットのひとつに、運用益に対する課税がされないというものがあります。
そのため、年金の受取時期が間近な方以外は元本確保型の商品を選ぶ必要はありません。
若いうちは資産形成時期にあたるため、この時期は積極的にリスクを取って資産を作ることが何よりも大切になります。

正しい金融知識を身に着けて、国の用意している有利な制度を最大限活用していきましょう。

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