
日本の財政状態から私たちの生活を考える
日本は借金大国ということをご存じの方は多いと思います。
支出が収入を上回る状態が20年以上も続き、今でも毎年借金は増え続けています。
そんな中、日本は国際公約で20年度までに財政を黒字化するとしていましたが、政府は2019年度以降の新たな財政健全化計画で、国と地方を合わせた基礎的財政収支を黒字化する目標時期を25年度とする検討に入りました。
日本の借金が増え続ければ、現行の社会保障制度の維持が困難になり、私たちの負担も増える可能性が高くなります。
本日は、日本の財政の現状を知り、そのうえで私たちはどうしていく必要があるのかを考えてみます。
◼赤字続きで先進国で最悪な基礎的財政収支
基礎的財政収支とは、財政の健全度を表す指標のこと。具体的には、社会保障や公共事業など政策に使う経費(支出)をどのくらい税収(収入)で賄えているかを示しています。
国の場合、年間に得られる税収や副収入といった収入のことを「歳入」、社会保障や公共事業、国債の返済費といった支出のことを「歳出」といいます。
基礎的財政収支を見る際には、この歳入から国債の返済費や利払い費を除いた歳出を差し引いて計算します。
日本はバブル崩壊後の景気対策などで支出が膨らみ、1992年度から赤字が続いています。
毎年、歳出のうちの4割程度は国債を発行して借金を積み重ねている状態で、財政状態は先進国の中で最悪とされています。
◼遠のく黒字化、不可能な前提条件
今や、日本の借金は1,300兆円にも及ぶと言われています。これは、日本が1年間で生み出せることのできる財・サービスの合計(GDP)の2倍以上の数字で、先進国の中でも突出しています。
さらに、この借金は毎年増え続けているのが現状です。
この状態を改善するためには、毎年の支出を税収で賄う「基礎収支の黒字化」が必要です。
しかし、日本はバブル期以降、年間の収支が黒字化したことはありません。
政府は新たな財政健全化計画で、基礎収支を25年度に黒字にする方針を示しています。
その前提条件として、税収の大きさを決める名目成長率は20年度から3%超が続くことを想定していますが、このような経済環境はバブル期以降実現していないことを考えると今回の目標も達成は非常に困難です。
◼これからの日本を生きていくにはどうするか
日本は今後、少子高齢化が加速し、税金を納める人は減少する一方、社会保障を受ける高齢者は増加していきます。
つまり、収入は減る一方で、支出は増大していくことになります。
そのため、現在の20代、30代が支払う税金や社会保障費が今後も増加していくのは、ほとんど決まった未来といえます。
では、日本の現状と将来の見通しを知ったうえでどうしたら良いのでしょうか。
それは、「今後の増税や社会保障給付金の減少に備えてマネープランをたてること」です。
自分の将来から逆算したマネープランを立てて、今から計画的に投資や貯蓄をして将来に備えていくことが何よりも大切です。