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『教育が高くつくというなら、無知はもっと高くつく』
〜 ベンジャミン・フランクリン 〜

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私たちが過ごした平成はどう変わった?

私事ですが、本日の記事の投稿をもって200記事目の投稿となります。

今年の1月8日から金融、経済にまつわる記事を投稿するようになってから早いもので1年が経過しようとしています。

ここまで続けてこられたのも、私の記事を読んでくださる読者の皆様のおかげです。

本当にありがとうございます。

 

私がこのような記事を投稿するようになってから、私自身知識が身に付いたことはもちろん、周りから信用されることが非常に多くなったように思います。

 

初めはただ自分の勉強のために始めたことが、この記事を読んだ方からお金の相談をされるようになったり人から信用されることに繋がるということはまったく思ってもいませんでした。

 

もうすぐ年末。上記のことも含め、私はこの1年間で大きく変わることができました。皆様にとってはこの1年間はどのような年でしたか?

また、私たちが過ごしてきた平成の時代もまもなく終わりを迎えようとしています。

 

そこで、本日は200記事目特別編として、平成時代の30年の間で私たちを取り巻く家計環境がどう変わったのかということを見てみたいと思います。

 

■私たちの生活は30年前と比べてこう変わった

 

 

ここでは、平成が始まった30年前と現在とを比べて、私たちの家計を取り巻く環境がどれだけ変わったのかということを見ていきます。

 

・平均寿命
30年前→男性75.9歳、女性81.8歳
現 在→男性81.1歳、女性87.3歳

・年金受給開始年齢
30年前→60歳
現 在→65歳

・医療費の自己負担
(70歳未満の会社員)
30年前→1割
現 在→3割
(70~74歳)
30年前→入院1日300円、外来1日400円
現 在→2割(高所得者は3割)

・一般労働者の平均賃金
30年前→男性29.0万円、女性17.5万円
現 在→男性33.5万円、女性24.6万円

・世帯平均総資産
30年前→6525万円
現 在→5248万円

・消費税
30年前→なし
現 在→8%

 

 

上記を見てみると、平均賃金は30年前に比べると上がっていますが、実際にはそこから税金や社会保障費が引かれています。

総収入は上がっていても、実質的な手取金額を表す可処分所得についてはピーク時に比べて13%程度低くなっています。

 

■土地から現金へ。デフレ進行

 

 

平成時代の家計の資産割合は、土地の資産比率が下がり、現金比率が上昇したという特徴があります。
土地は地価が下落し、家計の資産における土地の割合は90年は56%を占めていたのに対し、現在では24%程度まで下がりました。

 

これとは逆に、比率が上がったものが現金です。
現預金は90年には18%でしたが、現在では33%にも及んでおり、まだまだ増加の一途を辿っています。

 

バブル崩壊や金融危機などを経て、元本割れのない安全資産である現金が魅力的だとされたのかもしれません。

家計の金融資産は平成の間にほぼ倍増し、現在では1800兆円を超えると言われていますが、これも現預金が増えたことによるところが大きいです。

 

2000年代に入ると金利が良い商品はほぼ無くなり、他に有力な資産の振り向け先はなく資産運用が難しい時代になりました。

ちょうどこの頃から日本経済はデフレに陥りました。物価が下落し続けると手元に置いておく現預金の価値は相対的に上がっていきます。

つまり、現預金としてお金を手元に置いておくだけでも実質的に資産が殖えていく時代だったので、デフレ状態だった今まではひたすら貯金をすることが合理的な選択だとされていました。

 

■これから求められる、お金の意識改革

 

 

現預金の比率が増えていっているのは、デフレ時代を上手に生き抜くための行動というよりは、長寿化が進んで老後資金の準備や年金不安への対策からお金を貯め込む人が増えた結果だと思います。

 

前述の通り、家計の可処分所得は90年代以降は減少傾向にありますし、税・社会保険料負担の収入に対する比率は、平成の間に21%から26%に上昇しています。

また、今はデフレではなくインフレの時代。大切なお金をただ手元に置いておくだけではお金がどんどん減ってしまう時代になりました。

 

人生100年時代になるこれからの時代、ただお金を貯め込むだけでは長い人生を乗り越えていくのは非常に困難です。

平成の間だけでも私たちを取り巻く環境は大きく変わったように、これからも私たちを取り巻く環境は目まぐるしく変化していきます。

 

ダーウィンの進化論の言葉でもあるように、生物は環境の変化に適応できる個体が生き残ります。
これからの時代を生き延びるためにも、それぞれの時代にマッチしたお金のマネジメントをしていきましょう。

 

 

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