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米中貿易戦争 世界的に景気失速か

トランプ政権が600億ドル(約6兆3千億円)もの中国製品に高関税を課す対中制裁を決め、同時に鉄鋼・アルミニウムの輸入制限も発動しました。

このことにより、23日は世界で株安が進み、円相場は1年4ヶ月ぶりの円高・ドル安水準まで上昇するなど、世界市場は大荒れとなっています。

米国発の保護主義が世界へと広がり、世界景気はどうなっていくのでしょうか。

◼そもそも、貿易戦争って?

貿易戦争とは、自由貿易のもとで一方の国の産業が打撃を受ける「貿易摩擦」が引き金となり、国家間で輸入制限などの応酬が続く状態をいいます。

各国は輸入量の上限設定や関税の引き上げによって、短期的には貿易赤字の減少が見込めますが、長期的には保護主義が広がることにより輸出産業の弱体化や経済成長の阻害、不況に繋がるなどのデメリットが多くなります。

◼過去には日米の間でも貿易摩擦が起きていた

第2次世界大戦後は日本を巡る貿易摩擦が目立ちました。

高度経済成長期の1960年代以降に日本の輸出が急増し、主に米国との間で鉄鋼や自動車、半導体といった品目を巡る貿易摩擦が発生しました。

日本は米国等での現地生産の拡大のほか、オレンジやコメの輸入自由化受け入れにより決定的な貿易戦争に陥ることは避けてきました。

◼米中は貿易戦争に発展するのか

米国が輸入する中国製品は年間5000億ドルといわれており、今回の対中制裁はその1割ほどに25%の高関税を課すことになります。

さらに、それとは別に日中などを対象に鉄鋼には25%、アルミニウムには10%の高関税を課す輸入制限も発動しました。

対する中国も既に米国産豚肉やワインに追加関税を課す報復案を公表しているほか、米国産大豆などにも関税を課す検討をしており強力な対抗策を繰り出す構えです。

世界のGDPの4割を占める米国と中国。

この2カ国間で貿易戦争に発展してしまえば世界経済に大きな影響を及ぼすことは間違いないでしょう。

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