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若い人は損をする社会保障

ぬ医療、介護、年金等、私たちが毎月貰うお給料からはたくさんの社会保障費が引かれています。
このコラムを読んでいる方の中にも、毎月の給与明細を見て「こんなに社会保険料引かれてるよ」と落胆している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

一般的に、総収入金額の2割~3割程度は社会保険料として国に納めている場合がほとんどですが、この保険料を払い込むことで不足の事態に備えたり老後の生活費を賄うことができます。

 

しかし、そんな社会保障には、「世代間格差」と言われる言葉があることをご存じでしょうか。
この格差は、1950年生まれの方と2000年生まれの方を比較した場合、なんと数千万円にまで広がるというデータが発表されました。

 

本日は、社会保障の世代間格差について内閣府が過去に発表したデータをご紹介します。

 

◼️社会保障の世代間格差

 

社会保障の世代間格差とは、一生の間に政府や自治体から受ける年金、社会福祉をはじめとするサービス(受益)と税や借金などによる負担の差が世代によって異なる事から生じる格差のことを言います。簡単に言えば、社会保険料をいくら払って、社会保障としていくら受け取れるか。それが年代によってどれくらいの差があるのか、ということです。

 

社会保険料を支払って、いざというときには国が守ってくれるというのはとても安心感がありますが、単純なお金の面だけで言うと損していることもありそうです。

 

社会保障の生涯受給率について内閣府が2012年に発表したデータがあります。

 

生涯純受給率(=(受給 - 負担)/収入)

 

簡単に言えば、自分の給料等の収入に対して、平均してどれくらいの社会保障関連のお金をプラスで受け取ることができるのかという数値のことです。

 

結果としては、1950年生まれ(現在の70歳手前)の方の場合は+1.0%と、収入に対してプラスの恩恵が受けられることが分かっています。
つまり、払ったお金より貰えるお金の方が多いということです。

 

しかし、それ以降の世代の方は軒並みマイナスとなっており、特に若い方ほど恩恵は少ないのにも関わらず負担は大きくなります。

1985年生まれの方だと-10.7%、2000年生まれの方だと-12.4%と、給料の10%以上は社会保障関連費として消えてなくなっていく計算になります。

 

◼️実際に金額で見た場合の世代間格差

 

では実際に払う金額と貰う金額に関して世代間でどれくらいの格差が出るのか、具体的な数字を見てみます。

 

1950年生まれの方の場合は差引で貰える金額は+1,900万円となり大幅なプラスになります。
しかし、1985年生まれの方は-2,270万円、2000年生まれの方は-3,260万円となり生涯に払う社会保険料が受け取る金額よりもはるかに大きくなってしまいます。

 

1950年生まれの方と2000年生まれの方で比べるとその差はなんと5,160万円となります。
こうして比べてみると、世代間格差はかなり大きいことがわかります。

 

生涯年収と比較してみてもかなり大きな割合を社会保険料として払うにも関わらずリターンを期待できないどころか、確実に元本割れすることになります。

 

◼️自分自身で備える

 

このデータを踏まえると、若い方ほど社会保険の負担は大きい割に恩恵は受けられないことがお分かりいただけると思います。

今後は少子高齢化もさらに進んでいき、生産年齢人口(15歳~64歳の人口)が減っていきます。
これはつまり、社会保障を必要とする人は増えていくのに、それを支える人は減っていくということなので、今後若い世代の方の負担がさらに大きくなることはほぼ確実です。

 

しかし、こういった厳しい現実にしっかり目を向けた人は、今から将来に向けた準備を進めることが可能です。

医療・介護・年金といったところで国の大きな支えを期待できない若い世代の方ほど、早いうちから資産形成に取り組んで自分の身は自分で守ることが必要になります。

 

お金は一朝一夕にして育てることはできません。ぜひ現実を知り、今から将来に向けた準備を進めてみてください。

 

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