BLOG 日本にお金を学ぶ文化を創る
独立系FP(お金の先生)という生き方

未経験でも独立系FPは目指せるの?

未経験から独立系FP(ファイナンシャルプランナー)を育成するワンクエスト代表の井 章弥です。
今回は「未経験でも独立系FPは目指せるの?」というテーマで解説していきます。

多くの方から「金融業界での実務経験がないのですが、独立系FPになれるでしょうか?」という質問をいただきます。結論から申し上げると、未経験でも独立系FPを目指すことは十分可能です。むしろ、未経験者の人が有利な面も多いのです。

独立系FPに必要なのは金融業界の経験ではない

金融業界経験者と未経験者との間で最も大きな差は、顧客に対して金融商品やサービスを販売した経験があるかどうかです。逆に言うと、それ以外に大きな差はありません。金融業界での経験がある人は金融知識も豊富な場合がありますが、未経験の人でもしっかりと1年間勉強をすれば、金融業界の経験者と同等の知識レベルにはなれます。

金融業界の経験がある人は金融商品やサービスを販売するのが上手いのは確かです。しかし、独立系FPの現場では、金融業界で通用していた販売力が通用しないことがほとんどです。なぜなら、金融業界での販売活動は、企業のブランド力や信頼感に支えられている部分が大きいからです。大手の金融機関や保険会社の看板があってこその信頼であり、個人の販売力だけで築かれたものではないことが多いのです。

独立系FPにとって本当に必要なものは「FP個人に対する信用」であり、顧客に「この人なら自分の資産を任せられる」と思ってもらえるかどうかです。このために必要なのは、自分の利益よりも顧客の利益を優先できる「高い倫理観」、顧客の信頼を得られるだけの「圧倒的な金融知識」、そして「人間としての誠実さや魅力」です。これらの要素は金融業界での経験が無くても、努力次第で後天的に身につけられるものです。

むしろ未経験の人が有利な理由

①先入観がない
金融業界で働いていた人は過去に身に着けた金融に対する考え方や営業方法に固執しすぎてしまい、それが成長を妨げるケースが少なくありません。会社員として金融業界に勤めて行う仕事とフリーランスとして行う独立系FPの仕事は全く違います。それを前提において学んでいければ良いのですが、過去の考え方や営業方法に縛られたままだと、マーケティングやコンサルティングで思わぬ失敗をしてしまいます。

②顧客目線を持てている
金融業界で働いていた人は金融の専門用語を多用してしまい、相手が何に困っているのかを理解しないままコンサルティングを進めてしまうことがあります。一方で、未経験者は「わからない」という感覚を理解できるため、顧客の立場に立って物事を考えることが自然とできます。一般の人には苦手意識を持たれやすい「金融」を顧客目線でわかりやすく話せることは大きな強みになります。

金融の知識が全くなくても大丈夫?

金融の知識がゼロでも独立系FPは十分に目指せます。実際に未経験からスタートして成功している人も多く、僕自身も独立系FPを始める前に金融業界で働いた経験はありません。もちろん、独立系FPの活動を始める時には金融知識を身につけておく必要はありますが、コツは「楽しく学びながら、自分自身も得をする経験を積むこと」です。
例えば、自分自身の保険やスマホのキャリアを見直したり、NISA以外の債券や金にも投資をしてみることで、より金融の世界を楽しく感じられますし、自分の資産形成も良くなっていきます。FPの資格取得は記憶や計算が多くて退屈に感じる人も「自分が得をすること」から始めると、勉強が楽しくなり、モチベーションを保ちやすくなります。
あとは自分が得したことを周りやSNSで伝えていけば、それが独立系FPの仕事に繋がっていきます

副業からも始められる?

独立系FPの仕事は副業から始められます。むしろ、副業から始めるべきというのが僕の考えです。僕自身、副業から独立系FPのキャリアをスタートしていますし、僕の周りの人たちも副業から始めて本業に変えていった人が大半です。
副業から始める最大のメリットはリスクを抑えられることです。いきなり本業として始めると、収入が不安定になり、生活に支障をきたすリスクがあります。副業から始めることで、自分に適性があるかを見極めながら、徐々に稼ぐ力を養えます。一方でデメリットは顧客に本気度が伝わりにくかったり、時間の融通がつかない場合があります。これらはマーケティングやスケジュール管理で対処することが必要です。詳しくは『独立系FPは副業から始められる?』をご覧ください。

未経験でも集客できる?

金融業界での経験と集客(マーケティング)は全く関係ないと思って良いでしょう。金融業界でFPをされていた場合、集客はマーケティングの部署がやってくれるため、金融業界の経験者の人が集客が得意ということはありません。マーケティングの仕事をしていた人はその知見を活かせば良いですが、マーケティングが未経験という人は0から学んでいきましょう。
集客で1番はじめにやるべきことはターゲットを決めることです。女性向けFP、共働き家庭専門、事業承継特化、国際派FP(海外在住者向け)などを決めることで集客が一気にやりやすくなります。また、コミュニティを運営している集客力のある人やメディアとパートナーを組んで仕事をするという方法もあります。
集客を不安に感じる人も多いですが、日本人のほぼすべての人が「お金の相談をしたい」という潜在的なニーズを抱えており、それに対するFPの数は極わずかです。丁寧にFPの活動を進めていけば、集客に困ることはありません

未経験から独立系FPになった成功事例

ワンクエストの独立系FPスクールを通じて成功した人もたくさんいます。独立系FPのスクールはまだ世の中にほとんどありませんが、僕たちは8年以上も独立系FP育成を行っています。ITエンジニアからの転身(20代男性)、外資系CAからの転身(20代女性)、製造業勤務からの転身(30代男性)、IT企業の法人営業からの転身の4つのパターンを「未経験から独立系FPになった4人の成功事例(体験談)」でご紹介していますので、興味のある人はご覧ください。

未経験の人がつまずくポイントと乗り越え方

金融業界で働いたことがない人が独立系FPを目指した時につまづくポイントはいくつかあります。

①年収や資産額のヒアリング
日本ではお金について赤裸々に話す機会が少ないため、年収や資産額を聞くことに抵抗を感じてしまうことがあります。特に、もともと知り合い(学生時代の友人など)の場合、より聞きづらいと思うことがあるでしょう。ただ、顧客情報をヒアリングすることは、プロとして良いコンサルティングをするために必須です。
相談者も最も良い提案を望んでいるはずなので、実は年収や資産額を伝えることに躊躇する人はほとんどいません。どうしても聞きづらい場合は「おおよそで良いので」という枕詞を使ったり「月々にいくら貯金できていますか?」などを聞いて年収や資産額を逆算しましょう。

②身近な人へのアプローチ
独立系FPを始める前から知り合いだった人に対して、営業活動をすることを躊躇する人も多くいます。もちろん、ネットで集客をして独立系FPビジネスを確立することはできますが、そのマインド面は改善した方が独立系FPとして成果が出やすいです。
少し厳しく感じるかもしれませんが、身近な人に提案できないようなビジネスならやらない方が良いです。身近な人には提案できないけど、ネット経由で知り合った人なら提案できるというのは、自分が良い仕事をしていないと認めているようなものです。まずは「独立系FPのビジネスは大切な人たちの力になれる」という確信を持つことから始めましょう。そのためには、自分への確信、取り扱うサービスや商品への確信、金融知識への確信が必要です。確信さえあれば、むしろ大切な人たちに自分の持っている知見を伝えたいという気持ちになるはずです。
また、実は自ら身近な人へアプローチする必要もありません。これは従来の保険屋さんがやる営業方法で、普通に友人や親戚から嫌われます。身近な人たちが「お金を払ってでも相談したい」と思うような集客方法を実施しましょう。

③フリーランスマインド
会社員を本業としながら副業のフリーランスとして独立系FPの活動をスタートする人は多いですが、会社員しか経験がない人にとってフリーランスとして活動していく時には大きなギャップを感じるはずです。例えば、会社員だと上司から仕事が振られますが、フリーランスだと自分で仕事を作り出す必要があります。他にも時間管理や個人のブランディングなど、会社員では学べないマインドセットやスキルを新しく習得する必要があります
これはフリーランスの独立系FPとして既に上手くいっている人から学んで成長していくのがおすすめです。既に上手くいっている人と共に働くことで、時間管理や個人のブランディングの方法を盗むことができるでしょう。逆に、会社員の人が一人でフリーランスマインドを身につけることはほぼ不可能だと思います。

いかがでしたか?

僕が独立系FPとして9年間活動してきた経験をもとに『未経験でも独立系FPは目指せるの?』について解説してみました。独立系FPの働き方について興味のある人は、ぜひ他の記事もご覧になってみてください。

「未経験から独立系FPを育成する講座」の新規入会者も募集しております。僕や実際に独立系FPとして活躍する先輩が相談に乗りますので、ご興味のある方はお気軽にカウンセリングフォームからお申込みください。