独立系FPはSNSで集客をするべきか?

未経験から独立系FP(ファイナンシャルプランナー)を育成するワンクエスト代表の井 章弥です。
今回は「独立系FPはSNSで集客をするべきか?」というテーマで解説していきます。
独立系FPとして活動していく中で、課題の一つが「どうやって顧客と出会うか」です。FP業界における主な集客手段といえば、紹介やセミナー、チラシ配布、異業種交流会などリアルでの活動が中心でした。
しかし、近年ではSNSを活用して集客やブランディングを行う独立系FPが増えています。特にInstagramやX(旧Twitter)、YouTubeなどは、情報発信の場として非常に有効で、個人でも大きな影響力を持つことが可能です。
本記事では、僕や独立系FP仲間の実体験をもとにSNS集客について解説していきます。SNSを使うか否かで悩んでいる方、自分なりの集客スタイルを模索している方にとって、ヒントとなる内容をお届けします。
SNS集客は必須ではないが、メリットは多い
まず最初にお伝えしたいのは、SNSを使わなくても活躍している独立系FPは多いということです。僕の体感だと、独立系FPとして活躍している人の8割はSNSを活用していません。
SNSでの集客がうまくいっている人の事例が多く取り上げられる一方で、SNSを一切やらずに紹介だけで新規顧客を獲得し、売上を伸ばしている方も大勢いるということです。
しかし、だからといってSNSを使わないのはもったいないと個人的には思います。SNSを活用することで、ビジネスチャンスが大きく広がります。ここではSNSを集客に活用するメリットについて3つ解説していきます。
メリット①:興味度の高い状態から面談をスタートできる
SNSで日頃から情報を発信していると、フォロワーさんは自分の考え方や専門領域、価値観に触れるようになります。その結果、面談の際には「すでに自分に興味を持っている」状態の顧客と会話がスタートできるのです。
これは大きなアドバンテージで、ゼロから信頼を築く必要がないため、短時間で深い話に入ることができます。まさに「温まった状態での初対面」といった感覚です。
メリット②:初回面談の工数を省ける
SNSは「無料で更新し続けられるホームページ」のような存在です。提供するサービス内容や、その想いをSNSに記載しておけば、初回面談で「自己紹介」「業務説明」に時間をかける必要がなくなります。
これにより、面談時間の大半を顧客の悩みや課題のヒアリングに充てることができます。
メリット③:アフターフォローにも使える
SNSは新規集客だけでなく、既存顧客へのアフターフォローにも活用できます。たとえば、定期的にライフプランや資産運用に関する発信をすることで「○○さんの投稿を見て、NISAの件もう一度相談したくなって...」といったように、リピートの機会が自然と生まれます。
また、誕生日や結婚記念日など、個人的なタイミングに合わせてコメントやメッセージを送ることで、より深い信頼関係を築くことも可能です。SNSを活用することで自然な接点がたくさん生まれます。
SNS集客の実例紹介
SNSの集客や活用には様々な方法がありますが、ここでは僕のまわりで実際にSNSをうまく活用して収益につなげている2つの具体的な事例を紹介します。
パターン①:SNS上で交友関係を加速
SNSで顧客や友人との繋がりをどんどん広げていく独立系FPもいます。特にInstagramなど、ビジュアルで伝える媒体では「こんなFPに相談したよ」「この投稿、参考になった!」と、ユーザーが気軽にシェアしやすい雰囲気があります。
あるFPの実例では、実際に面談を受けた顧客が自身のInstagramストーリーズで「このFPさん、すごく丁寧に家計を見てくれた!」と投稿。そのメンションをきっかけに、その顧客の友人やフォロワーが興味を持ち、アカウントをフォロー。さらには別の友人からも「紹介してほしい」とDMが届くようになりました。
SNS上で信頼関係を築けるような戦略を取れば、フォロワー数が少なくとも個別相談はどんどん入ります。
パターン②:インフルエンサーとして自社サービスを展開
SNSで多くのフォロワーさんを獲得できた場合、自分自身が「メディア」として機能しはじめます。その影響力を活かして、自社サービスを展開する独立系FPもいます。
実例をあげると、Instagramのインフルエンサーである独立系FP仲間が「お金の学校」のようなオンラインスクールを立ち上げました。受講者は全国から300人以上が集まりました。
SNSの影響力をうまく活用することで、FP業務を超えた教育ビジネス、コミュニティ運営、コンテンツ販売などにも発展させることが可能です。
SNSを利用しない場合の戦略
「SNSはどうしても苦手」「やってみたけど続かない」「発信よりも対面での関係構築のほうが得意」そんな独立系FPにとっても、集客のチャンスは十分にあります。ここでは、SNSを使わない場合に実践すべき3つの方向性について解説します。
顧客紹介をもらうための信頼構築を徹底する
SNSを使わずに安定的に新規顧客を獲得しているFPの多くは「紹介」で案件を得ています。紹介を増やすには、単にサービスを提供するだけでなく、信頼の土台をしっかり築くことが不可欠です。
▼押さえるべきポイント
・面談後のフォローアップを徹底する(定期的な連絡など)
・家計や資産の見直しだけでなく、ライフステージの変化に寄り添ったアドバイスをする
また、既存顧客への「紹介依頼」のタイミングも重要です。相談の満足度が高かった直後に「もし周りでお困りの方がいれば、ご紹介いただけたら嬉しいです」と自然な形で伝えるだけでも、紹介数は増えていきます。
新規の出会いを意図的に増やす
SNSに頼らずとも、人との接点を増やす方法はたくさんあります。
● 地域でのマネーセミナー開催
● 異業種交流会や経営者勉強会への参加
● 地元の商工会やNPOとの連携イベント
● オンラインセミナーやコラボイベントの開催
● 堅苦しくない飲み会を定期開催
こうした活動はすぐに成果が出るとは限りませんが、参加者との関係が深まれば、その後の信頼関係構築や紹介に繋がることも多々あります。特に「人柄を見てもらえる」場を多く作ることが、SNSを使わない戦略においては非常に重要です。
提携先を複数持つ
SNSを使わないFPの中で成果を上げている人たちが、特に力を入れているのが提携関係の構築です。具体的には、次のような業種と連携するケースが多いです。
・保険代理店
・不動産仲介業者
・税理士・社労士・司法書士などの士業
・住宅メーカー・工務店
これらのパートナーと信頼関係を築き、「お金周りで困っている方がいれば、うちのFPを紹介する」という流れを作ることができれば、SNSに頼らずともコンスタントに新規案件を受けられる仕組みが整います。
より具体的な集客方法について知りたい方は『独立系FPの集客を成功させる方法』をご覧ください。
いかがでしたか?
本記事では、具体的な事例を踏まえてSNS集客について解説しました。もし独立系FPに興味のある方は、ぜひ他の記事もご覧になってみてください。
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