
おつり投資で無意識に投資
若い方を中心に、買い物代金をクレジットカード等で支払うキャッシュレス派の方が多くなってきました。
最近では、買い物をする度にそのおつりを自動的に貯金や投資に回すことができるスマホアプリが次々に登場しています。
なぜそのようなアプリが登場しているのか、サービス誕生の背景を探りつつどれほど効果があるのかを見ていきます。
◼発祥は資産運用大国アメリカ
おつり貯金・投資サービスは日本では2016年頃から登場しましたが、これらのサービスはアメリカでは2010年前後に既に誕生していました。
基本的な仕組みは日本も海外も、企業によってもほぼ共通で、登録したクレジットカードなどを使って買い物をするとおつりに相当する端数を計算します。
例えば、おつりを「100円」と選択した時に540円の買い物をしたとすると、100円の倍数で支払額よりは大きい額が基準となります。
この例だと600円を基準として、差額の60円がおつり相当額になります。
◼無意識に習慣化することで心理負担を軽減
買い物のおつりを計算して貯金や投資に回すという仕組みは、心理学を応用した行動経済学の考え方に基づいているようです。
人間は今置かれた状況を変えたくないという現状維持バイアスの傾向があるとされています。
お金を貯めることがいかに大事であるかわかっていても、浪費癖のある人にとっては倹約、貯蓄するのは容易なことではありません。
その点、おつり貯金・投資であれば一度設定しておけばあとは買い物をするだけで自動的に貯金や投資をすることができます。
◼定期的な貯蓄が苦手な人ほど有効な手段
上記のような観点から、米国では一定の有用性が認められ普及したおつり関連サービス。
「自分の意思では思うように貯蓄ができず、つい浪費しがち」と考える方にとっては、このような無意識で自動的にお金が貯まる仕組みを使うことで無理なく貯金や投資を続けていくことができそうです。