不動産を買うなら新築?中古?
最近、私の周りでもマイホームや投資用不動産を購入する方が多くなってきました。
大学新卒で働き始めている場合は勤続5年目を迎え、収入も上がってきてローンが組みやすい状態になってきたことが理由のひとつにあるようです。
マイホームにしても投資用不動産にしても、まず始めに考えることのひとつに「新築で買うか、中古で買うか」ということがあります。
例えば、マイホームを購入するのであれば値段のこと等を考えずに新築に住みたいという方は多いのではないでしょうか?
しかし、不動産の価格は新築、築10年、築20年、築30年と大きく変わっていきます。
そこで本日は、不動産の価格の変化から中古の物件を買うのは経済的にメリットが大きい可能性もあることをご紹介したいと思います。
◼不動産は経年劣化する
5000万円の家を買って35年ローンを組んで支払っていけば、将来はその価値の家が自分のものになると考えている方は多いのではないでしょうか。
しかし、実際に35年後に手元に残るのは買った時よりも35年古くなった物件であり、古くなった物件というのは価格が落ちていくのが普通です。
東京カンテイが2017年10月に発表した首都圏の坪単価のデータを比較してみると
新築時:284.8万円
築10年:208.5万円
と、たった10年で26.8%も坪単価が落ちてしまうことがわかります。
◼ローンの返済スピードとの差
上記の坪単価の下落スピードに対して、仮に5000万円の35年ローンを金利1%で組んで、それを10年間返済した場合のローンの残り(残債)はどうなるのかを見てみます。10年後の残債を計算してみると
借入時:5000万円
10年後:3734万円
となり、ローンは25.3%しか減っていないことになります。
この結果から「新築の物件を購入してローンを返済していっても、物件の価値下落スピードがローンの返済スピードを上回る可能性は高い」ということがわかります。
◼中古という選択肢
新築は価格が高いうえに価値の下落スピードが早いため、費用や物件の価値という側面で見るとオススメはできません。
そこで出てくるのが中古物件という選択肢です。先ほどの首都圏の坪単価のデータの続きとして築20年、築30年を見てみると、
築20年:138.2万円
築30年:131.6万円
となっています。
このデータから、新築の物件の場合、築20年前後までは値下がりしやすく、築20年以降は値下がりしにくいということがわかります。
こうしたデータから判断すると、費用面や物件の価値という側面では築古の物件を購入するのは合理的な判断になると言えます。
マイホームの場合はどれだけの幸福度をそこから得られるかなども重要なため一概には言えませんが、投資用不動産に関しては中古を選ぶことをオススメします。