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価値が減少していく日本円

21日、ドル円の為替レートが111円を超えてきました。

ドル円は3月下旬に104円台半ばを付けた後は現在まで大きく円安が進んでいます。

 

米長期金利は原油高と米経済指標の改善を受けて3.11%となり、6年10ヶ月ぶりの水準となりました。

 

一方、日本の長期金利は0.04%と相変わらず低金利の状態は変わらず、米長期金利との差は11年ぶりの水準に拡大しています。

 

足元で円安ドル高が進んでいますが、本日は改めて日本円だけで資産を持つリスクについて考えてみたいと思います。

 

◼米国の金利は魅力的

 

米国の10年国債の金利は現在3.11%です。つまり米国が破綻しない限り、ドル建ての米国債を持っているだけで10年間、毎年3.11%の金利をもらえるということになります。

 

わかりやすく例えると、米国の10年国債を100万円分保有したら、税金を考慮しなければ毎年3万1,100円の利子がもらえるということです。

 

では、日本の10年国債の金利はどれほどでしょうか?

現在の日本の10年国債の金利は0.04%。単純に計算すると、日本の10年国債を100万円分保有しても400円しか利子をもらうことができません。

 

こういった状況を見ると、日本の国債より米国の国債が魅力的に映るのではないでしょうか?

 

それは世界中の投資家も同じで、同程度のリスク度合いであるならば、より高い金利が得られる商品を選びます。そのため、低い金利の資産を売って、高い金利の資産を購入するということが起こります。それが最近で言うと、日本国債を売って米国債を購入する動きになっています。

そうなると日本円の価値は落ち、米ドルの価値が上がるため、ドル高円安が進む原因になっています。

 

◼日本円だけを持つリスク

 

ほとんどの方は外貨を持っておらず、日本円のみで資産をお持ちだと思います。

 

しかし、グローバル社会である現在では、このように一つの国の通貨のみで資産を保有するということは、実は大きなリスクにもなり得ます。

 

ドル円は3月下旬に104円台半ばを付けた後は円安基調に転じています。そこからたった1ヶ月半の間に7円程度も円安が進みました。これは、日本円の資産価値がドル基準で6%も下落したというように見ることもできます。

 

日本に住んでいるとドル基準で資産価値を考える必要はないと思うかもしれませんが、日本は身の回りの生活用品や食品などの多くを海外からの輸入に頼っている国です。

円安になればそれらの調達コストが上がるため、物価も上がりやすくなります。例えば、今までは一個100円で買えていた果物が一個120円に値上がりしたりするわけです。

すると、最終的にはドル高によって日本円の資産価値が目減りすることにも繋がってきます。

 

◼資産の一部は外貨で持つ

 

このような日本円の資産価値の目減りを防ぐためには、資産の一部を外貨で持つ必要があります。

 

理想の割合は日本円:外貨=50:50です。半々であれば、円高に振れても円安に振れても対外的に資産価値の目減りを抑えることができます。

 

ただ、いきなり資産の半分を外貨に換えるというのはなかなか容易にできることではありません。
そのため、最初はちょっとずつでも良いので外貨を保有していって、その比率を長期的に30%、50%と高めていくようなイメージを持つと最初のハードルを低くすることができます。

 

例えば、毎月一定額の円をドルに換えていくような、ドルの積立が有効です。ドルコスト平均法と呼ばれる手法でもあり、リスクを低く抑えつつ長期的には大きなリターンを期待できる投資手法で、確実に外貨建て資産を作っていくことができます。

 

いきなり大きな金額を外貨に換えるのはリスクも大きいので、毎月の収入の中から少しずつでも外貨資産を作っていくことが大切です。

 

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