奨学金破産から考える、自分達の役割とは
お金がなくても進学できるための制度である、奨学金。
私も大学の進学費を親に頼ることはできなかったので奨学金を利用して大学に進学。今は借りたお金を月々返済しています。
そんな奨学金を返せずに、自己破産してしまう方が年々増えているようです。
奨学金にからむ自己破産は16年度までの5年間で延べ約1万5千人。
そのうち、貸与を受けた本人が自己破産に陥ってしまうのが約8000人のようです。
では、残りの7000人は??
実は、残りの7000人の自己破産は、親や親戚等の保証人でした。
それはつまり、どういうことか。
本人が奨学金を返せず自己破産をし、その保証人である親や親戚等も奨学金を返せずに自己破産をするという負の連鎖が起こっているのです。
なぜこんなことが起こっているのか。
その理由は、経済環境の変化があります。
この30年間で国立大の授業料は2.13倍の約54万円。私大は1.76倍の約88万円と、大きく値上がりしました。
しかし、卒業後の収入は伸び悩み、中には非正規雇用で収入が安定しない方も多い世の中になりました。
また、大学の授業料は、少子化に加え大学数の増加に伴い今後さらに値上げが進むとされています。
すると、私たちの子供たちが大学に行くようになるときには、今よりももっと大学の授業料の負担が大きくなっていると思います。
そのような未来が予想されるなか、ただ働いて貯金を増やしていくだけでその対策を取ることはできますか?
働いて貯金を増やしていくだけの時代はもう終わりです。
「貧困は連鎖する」
これは、私の実体験からも本当にそう思います。
ここでは詳しく書きませんが、今、こうして私がいろんな活動をしている全ての根源がここにあります。
今は貧困ではない方も、今の生活が今後数十年続くとは限りません。
世の中が目まぐるしく変わっていっている今日、その変化に対応して未来を見据えた行動を取らないと、いつの間にか貧困に陥ってしまうかもしれません。
そして、それを子供たちに伝えていく、教育をすることこそが貧困を断ち切る唯一の方法だと私は思います。
自分の子供にまで貧困を連鎖させない、子供を貧困にさせないためにも、私たちが今からやるべきことがたくさんあるのではないでしょうか?