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年金運用から考える、私たちがやるべきこと

先日、2017年度のGPIFの運用成績が発表されました。

GPIFとは、年金積立金管理運用独立行政法人(Government Pension Investment Fund)の略で、私たちが支払っている年金を管理、運用してくれている機関のことを言います。このGPIFが私たちに代わって年金の原資を運用してくれているため、現在の年金制度は維持できています。

GPIFの運用する金額は150兆円を超えていて、年金基金としては世界で最も大きく、世界最大の機関投資家と言われることもあります。

 

そんなGPIFは先日、2017年の運用成績を発表しました。いったいどれくらいの利益を出すことができたのでしょうか。

 

本日は、GPIFの運用から見る私たち個人が取り組むべきことを考えてみます。

 

◼結果は、10兆810億円のプラス

 

2017年度の運用実績は10兆810億円の黒字になったそうです。現在150兆円超の金額を運用しているGPIFですが、期間中の損益率としてはプラス6.90%となりました。

2016年度の運用実績はプラス5.86%だったため、2期連続でプラスを確保したことになります。

 

銀行の定期預金が0.01%、10年物の長期国債が約0.04%の利回りということを考えれば、GPIFがいかに大きなプラスを出せたかということがわかるかと思います。

 

2017年度は日本をはじめ、世界の主要国の景気拡大が続いたこともあり、国内外で株価が上昇しました。

GPIFの運用資産のうち、半分程度は株式が占めているため、国内外の株価の上昇の恩恵を受けた結果になりました。

 

◼各資産の構成と変動金額

 

GPIFは資金を4つの資産クラスにわけて運用を行っています。その4つとは、国内株式、外国債券、国内債券、外国債券です。各資産の2018年3月末時点での割合を見てみると、

 

国内株式:25.14%
外国株式:23.88%
国内債券:27.50%
外国債券:14.77%

 

となっています。足し合わせて100%にならない部分は運用せずに現金として保有していることになります。また各資産の2017年度の増加幅を見てみると、

 

国内株式:+5兆5076億円
外国株式:+3兆5140億円
国内債券:+3622億円
外国債券:+6740億円

 

となっています。割合が高い国内株式と外国株式が多くの利益を出してくれていることがわかります。景気が良い時は株価が上がりやすいので、リスクを取っていることが良い方向に働きます。

 

◼リスクを負わなければ維持できない現状。私たち個人が考えるべきこと

 

順調に利益を出しているGPIFですが、資産運用をしている限りはマイナスが出ることも当然あり得ます。例えば2008年のリーマンショックの時には世界中の株価が50%程度下落しました。

 

現在のGPIFは株式の保有比率を高めているため、一時的に20~30%程度のマイナスが出ることも想定されます。

そうした大幅な損失が出れば批判の声があがることになりますが、リスクを取ってでも積極的に収益を上げなければ今の年金制度は維持できない状態に陥っているのです。

 

国もリスクを取って資産運用をしなければ現状を維持できない時代。さらに、少子高齢化や経済衰退等、今後日本の経済が今より厳しくなることはほぼ確実です。

そんな中で、私たち個人は何も対策をしなくても豊かな未来を迎えられると思いますか?

 

GPIFの運用する資金は、わたしたちが将来もらう年金の原資にもなりますが、年金の原資が厳しい状態にあることは誰しもがわかっている事実です。
今後の日本を生きるのであれば、将来を見据えて私たち個人でも必要なリスクを取りながら資産形成に取り組む必要があります。

 

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