投資信託を身近な銀行で買うとどうなるか
投資初心者に一番オススメな投資でもある投資信託。
最近ではiDeCoやNISAといった制度をきっかけに投資信託を購入したり、投資信託に関心があるという方が多くなってきました。
投資信託は、自分のお金を運用のプロ(ファンドマネージャー)に託して、自分の代わりに運用をしてもらうという仕組みの投資商品です。
そんな投資信託は、主に銀行や証券会社の窓口で販売されていて誰もがすぐに買うことのできる最も身近な投資商品とも言われています。
本来、投資信託は長期的に持てばとても勝率が高い投資商品ですが、個人で投資信託を買っている方の実に46%程度の方が損失を抱えているそうです。
なぜ損失を出している方がそんなに多いのでしょうか。
本日は、投資信託を販売している金融機関の真の思惑と、投資信託の運用における勝率を高める方法をお伝えしていきます。
◼半数の人が損をしているという実態
金融庁が都銀や地銀の代表的な銀行計29行を対象に、2018年3月末時点の運用損益を調べたデータが発表されました。
そのデータによると、損失を抱える顧客は46%。なんと全体の半分近くの方が銀行から買った投資信託によって損をしているというのです。
さらに、平均の運用損益率がマイナス、つまり投資信託を買っている顧客の平均資産が投資信託購入前と比べて全体的に減っているという金融機関もあったそうです。
ここ数年、単純な株価の平均値は日本株も世界株もかなり値上がりをしていたため、株式に投資をするタイプの投資信託であれば利益が出るのがむしろ当たり前という相場でした。
しかし、実態としては平均すると損失を抱えている方が半数近くという不思議な現象が起きているのです。
それは一体なぜなのでしょうか?
◼手数料重視の金融機関
これには、金融機関の収益構造の問題があります。
本来投資というのはじっくりと時間をかけながら資産を殖やしていくものです。日本の投資信託の平均利回りは投資対象によっても異なりますが、一般的に4~6%と言われています。
そんな中で投資信託を販売している会社の多くが、販売時に2~3%、信託報酬で1~2%程度の手数料を取っています。
つまり、購入して1年で金融機関に支払う手数料は3~5%程度になります。年間数%のリターンのうち3~5%を手数料で支払えば、その分利回りが減って勝てる確率が低くなります。
また投資信託は長期的に見れば経済成長や企業の規模の拡大により大抵値上がりします。一概には言えませんが、10年以上持っていて損失を出す可能性は低いと言えます。また、長期で持つことで販売手数料の手数料比率を下げることができるため、より勝率を高めることができます。
しかし、金融機関は主にこれらの投資信託を売った時に得られる手数料で収益を確保しています。
そのため、金融機関は販売手数料を繰り返し得るため、短期間での売買を勧めてきます。
短期で商品を切り替えて、その都度手数料を支払っていたら、本来は利益が上がるはずの投資でも手数料負けしてしまうことになります。
◼勝率を高めるためにはどうするか
投資信託運用における勝率を高めるためのポイントのひとつは、金融機関に払う手数料を安くすることです。そのために有効なのは、ネット証券を利用することが挙げられます。
ネット証券であれば販売時の手数料がゼロの投資信託も珍しくなく、手数料を低く抑えるという点においてはオススメです。
手数料が低く、優れた商品を長期的に持つことを心がければ、投資信託を利用して資産を何倍にも増やすことが可能です。
もうひとつのポイントは、お金について勉強することです。
手数料を低くすることだけを意識しても、たくさんある投資信託の中から優れた商品を選ぶことができなければ本末転倒。優れた商品を選ぶためには、最低限のお金の知識を身に付けておくことが必要です。
投資信託自体は良い投資商品ですが、しっかりした知識を持たずに金融機関の言いなりに売買していると資産は目減りしてしまいます。正しい知識を持って、利益が上がる運用を心がけていきましょう。