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その投資商品は適正価格?プライシング理論から考えよう。

どうも!
株式会社ワンクエストのファイナンシャルプランナー、村田です。

今回は投資の適正価格(公正価値)を知る1つの理論、「プライシング理論」について紹介します。

今日もよろしくお願いします!!
まいちゃん
まいちゃん

 

前提

公正価値がわかるその理論を使えば、必ず勝つ投資がわかるってこと?
まいちゃん
まいちゃん

出鼻を挫くようで恐れ入りますが、回答としてはノーです。。
よく言われますが、投資に絶対はないのです。

もちろんこの前提は変わらないのですが、、
ただこの「プライシング理論」は、公正価値を測るヒントにはなりえるのです!

 

プライシング理論とは

この「プライシング理論」の重要な考え方について、結論をまず記します。

その投資対象の公正価値は、将来キャッシュフローの割引現在価値の合計である

ファイナンスを勉強されていない方にとっては、聞き馴染みのない言葉があり、少し難しかったかもしれません。

 

少し噛み砕いて表現すると、

その投資対象が将来生み出すお金を、現在の価値に算出した価格が公正価値になる
ということです。

理論上としては、
・価格が公正価値よりも高い場合は、損をする=資産を減らす形になります。
反対に、

・価格が公正価値よりも低い場合は、得をする=資産を増やす形になります。

 

価格、つまりプライシングが適切かどうかを測るうえで重要になる考え方ということですね。

 

公正価値よりも割安な投資商品を見つければ、資産形成に繋がるってことですよね!
まいちゃん
まいちゃん

そうです!

なんとなく分かってきたかなと思いますが、具体的な算出例をみて、さらに理解を深めましょう。

 

この投資商品は買ったほうが良い?

わかりやすいように極端な例となりますが、あなたがある機械を投資として購入し、以下の条件で副業を開始するとします。

・期間は5年間。
・機械の価格は500万円
・副業終了後、20分の1である25万円でその機械を売却可能。
・5年間需要が続くと仮定し、毎年100万円の利益(売上ー人件費など諸経費)が見込める。
 →売る商品は、重要ではないので何でも良いです。自由に想定してください。
・販売チャネルは考慮しないとする。

 

まずは将来生み出すお金、キャッシュフローを考えます。
毎年100万円の利益が生まれるため、それを5年間続けると、

100万円×5 = 500万円
となりますね。

そして終了後、25万円で売却するので合計のキャッシュフローは、
500万円+25万円 = 525万円
となります。

つまり、500万円で機械を購入し525万円の利益となるため、25万円得をする計算となります。

公正価値に対し、比較的割安だと言えますね!

 

ただし、これは割引現在価値を加味しないで単純に算出したものです。
(これだと小学生の算数問題って感じですよね)

次は、割引現在価値を加味した場合で考えてみましょう。
※いろいろ算出方法ありますが、今回はDCF法を用いて算出します。

そのためにはまず、リスクフリーレートを加味する必要があるのですが、今回は3%とします。
※リスクフリーレートとは、限りなく無リスクである投資の利回りのこと。投資商品としては先進国の債券などが一般的です。
→つまり年利3%については保障されているということ。

 

上記の説明からわかるとおり、このレート(3%)以上の成果が出る商品でないと投資する意味がありません
意味がないどころか、機会損失といった形で損を被ります。

 

では、どのように算出するか。

このレートを複利で各年割っていくことで、算出することができます。

具体的にいうと通常、複利の計算ではこの3%を2乗3乗・・・と年数分掛けていく形ですが、割引現在価値を算出する場合は逆に割っていきます。

つまり下記のような算出となります。

・1年目利益:100万円 ÷ 3% = 97万円

・2年目利益:100万円 ÷(3%×3%)= 94.1万円(少数第一位で四捨五入、以下同様)
・3年目利益:100万円 ÷(3%×3%×3%)= 91.3万円
・4年目利益:100万円 ÷(3%×3%×3%×3%)= 88.5万円
・5年目利益:100万円 ÷(3%×3%×3%×3%×3%)= 85.9万円
・売却時   :25万円 ÷(3%×3%×3%×3%×3%)= 21.5万円
※年ベースの割引率のみ採用

そして最後に、それぞれの割引現在価値を合計します。

97.0+94.1+91.3+88.5+85.9+21.5 = 478.3万円

つまり、500万円で機械を購入し478.3万円の利益となるため、逆に21.7万円損をする計算となります。

理論上は結論、
公正価値よりも低い収益となるため、控えたほうがよい投資商品となるのです。

 

最後に

今回極端な例ではありましたが、このプライシング理論は株や投資信託・不動産など多種多様な投資商品に適用することができます。

そしてその際、今回のような単純な計算だけでなくいろんな統計や仮説を用いて算出するケースが多く、実際には専門家でないと糸筋縄にはいきません。。

とはいえ今回の理論を知ることで、投資する前に一度立ち止まって考える観点が増えたのではないでしょうか。

ぜひ、次に投資商品を鑑みる際にはこちらを思い出し、自分なりに考えてみてください。
(もし公正価値の計算合ってるかな?など相談あれば、ぜひ一緒に考えたいので下記よりお問い合わせください!)

 

今回は以上となります。また次回お会いしましょう!

 

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