iDeCoは若い人は危険!?
「iDeCoは節税効果が高くておすすめ!」
「老後のための資産形成はiDeCoで決まり!」
このような話を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
最近は老後資金の不安から、節税効果の高いiDeCoを利用しようと考えている方が多いように感じます。
たしかに、iDeCoは節税効果が高く、お得な制度ではあると思います。しかし、実は20~30代の比較的若い方にとってはリスクが大きいということをご存じでしょうか?
本日は、若い方におけるiDeCoの危険性について見ていきたいと思います。
◼そもそも、iDeCoってなに?
iDeCoの危険性を知るためには、iDeCoについて理解していなければなりません。
iDeCoとは、一言で言えば自分で作る年金制度のことです。
加入者が毎月一定の金額(掛金)を積み立てて、あらかじめ用意された定期預金・保険・投資信託といった金融商品で運用しながら、60歳以降に年金、もしくは一時金としてお金を受け取ります。
iDeCoの特徴のひとつに、掛金が全額所得控除になるということがあります。
全額所得控除になることで、所得税や住民税を安くすることができます。
例えば、年収400万円の方が月々20,000円の掛金を拠出した場合、所得税と住民税を合わせて年間で約36,000円程度税金を安くすることができます。
これは、保険料の一部しか所得控除にならない個人年金等と比べて節税効果は極めて高いことになります。
◼iDeCo最大のデメリット
大きな節税効果があり人気のiDeCoですが、実は大きなデメリットもあります。
その最大のデメリットが、払い込んだお金は原則60歳以降まで引き出せないこと。
このことは、ある意味強制的に老後の資金を用意できることにもなりますが、現役時代の出費、例えば結婚、出産・子育て、学資、車・家の購入、親の介護、自己投資、趣味等のためには一切お金を使うことができません。
老後のためにお金を積み立てることは大切ですが、そもそも目先の生活が成り立たなければ本末転倒です。
◼iDeCoよりも優先してやるべきこと
20~30代と運用期間が長く、ライフプランが定まっていない人は、どこで大きなお金が必要になるかわかりません。
そうなった時に流動性がないiDeCoで積み立てをしていると、大切な時にお金が足りなくなってしまうこともあり得ます。
また、若いうちは何かしらのチャンスもたくさんあると思います。そんなときに動かせるお金がなくてチャレンジができないということにもなりかねません。
投資をする際は「流動性の高さ」という観点を持つことも非常に大切です。
目先の節税効果に踊らされることなく、自分のこれからの人生と照らし合わせて流動性の高い資産形成をしていくことが大切です。